得應軒本店の歩み


得應軒本店-店舗看板

沿革

明治

  • 筆工としての修業を通じて、書筆製作の腕を磨いていた初代宮内市太郎(のちに宮内得應)が、神田淡路町に店を構える。
  • 勝海舟、日下部明鶴といった、書家の達人に愛用される。
  • 故事成語の「得心應手」を由来に、店名を「得應軒」にするとともに、初代も宮内得應に改名する。
  • 宮内得應の長男、宮内市松が2代目を引き継ぐとともに、画筆の取扱いを始める。
  • 以来、横山大観、橋本雅邦、川合玉堂等、様々な日本画家に愛用される。

大正

  • 関東大震災により店が焼失。横山大観からの慰問金などを支えに店を再建する。

昭和

  • 宮内博が3代目を引き継ぐ。
  • 宮内隆弘(現会長)が4代目を引き継ぐ。

平成

  • 平成28年 宮内忠志が5代目を引き継ぎ、今に至る。

当社の伝統

「蒙恬後進」の書

「蒙恬後進」の書

蒙恬は、中国の秦の時代の将軍で、初めて獣毛を用いて筆を作成し秦の始皇帝に送ったと言われていた人物です。
明治時代の政治家、書家である副島種臣が、初代宮内得應が作成した筆を試筆して、その出来栄えを高く評価し、「蒙恬後進」の書を初代に与えました。
そのときの「蒙恬後進」の書は、今も店内の正面に飾られ、当店の歩みを見守っています。

「削用筆」「則妙筆」の創作

明治時代の日本画家であり、当店の筆をご愛用いただいていた橋本雅邦からのご要望を受けて、2代目の宮内市松は、試行錯誤の上、今では日本画に欠くことのできない線書筆である「削用筆」「則妙筆」を生み出しました。

削用筆と則妙筆
  • 削用筆は、穂先が非常に細く尖っており、硬い線や柔らかい線を自在に描くことができます。
  • 則妙筆は、穂先が長く柔軟で絵具の含みが良い筆です。柔らかく優美な線を描くことができます。

箔盤の改良

これまで、得應軒本店が培ってきた「日本画家や愛好者の方に使いやすい画筆・画材を提供したい」という思いは、今にも引き継がれています。

当社では画筆以外の画材にも、気を配ってご提供をしています。こちらは箔盤についての工夫です。

箔盤

日本画の背景などに使用される金箔は、取扱いが難しい画材です。

金箔を切断する際に箔盤を使用しますが、箔盤には従来より豚皮等が用いられてきましたが、金箔がすべりやすく切断は気の使う作業となります。

そこで当社では、表面に檜を用いた箔盤を新たに製作しました。表面の素材の改良により、従来より滑らかさと滑りにくさを両立することができるようになりました。

会社概要

 

社名

 

 株式会社 得應軒本店

 

代表者

 

 代表取締役 宮内 忠志

 

業務内容

 

 画材の製造販売

 

所在地

 

 東京都千代田区神田淡路町2-1

 

連絡先

 

 電話 03-3251-0303  FAX 03-3251-8881

 

営業時間

 

 月曜~土曜 10:00 ~ 18:00 

 

定休日

 

 日曜日、祝日